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写真

2008 年 6 月 4 日

いつも一緒に仕事をしているカメラマンさんの奥さんが亡くなったらしい。

そのカメラマンさんはいわゆる巨匠で、文化人などの写真を撮っていたりする。

ライティングをきっちりさせて、今はやりの自然な写真ではなく計算された写真を撮る人だ。

自分はその人が人間的にも好きで好んで仕事をさせてもらっているし、かわいがってもらっている。

歳も団塊の人だけど亡くなった2人目の奥さんはまだ若かったらしい。

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とても気さくな人で、その日もいつものようにゲラゲラと笑いながら、たわいもない話をしながら

写真を撮っていた。

話をしていたら、会話の中に「ぼくも独り身だから・・・」という言葉があった。

何言ってんすか〜って普通に突っ込んだら、つい一週間ほど前に奥さんが亡くなったと言われた。

でも「新しいかみさん探さなきゃ」とか笑いながら言っている。

人が亡くなっても家族でも泣かないと言っていた。人はいつか亡くなるからと

真意かはわからない。

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その日は一日ずっと一緒だったので、気にかけながらもあまりにも重くなってもいけないなと

いつもどおり笑いながら一緒に仕事を続けた。

でも見てるとやっぱり憂いがこぼれて見えた。

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すると不思議な話をしてくれた。

実は奥さんが亡くなる少し前に、普段は撮らないのに愛犬と一緒に奥さんの写真を撮られたそうだ。

その写真があまりにも良く撮れたので、自分で撮ったんじゃないみたいだと思ったそうだ。

巨匠がそんなこと言うのもびっくりだが、話はつづく。

実は自分の両親が亡くなったときも普段は絶対撮らないのに写真を撮ってあげたすぐ後だったそうだ。

そのときもとってもいい写真だったらしい。

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彼はあのとき撮らなければよかったかもしれないと悔やんでいた。

自分のカメラは魂を吸い取ると言った。

でも僕には亡くなる前にお互いがカメラを通して引きつけ合ったようだなと思えた。

一番好きな人を一番自慢できるもので一番奇麗に撮れたのはとてもうれしいことだろう。

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その日はクライアントもスタッフもみんなでわいわいと撮影し、

カメラマんさんの車にみんなで荷物を積んであげて、手を振って送った。

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彼はいつものように「こんなに見送られたら帰りたくないな〜」と笑いながら

帰っていった。

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