「女が一人、生まれたばかりの子供を弔っていた。
子供の亡骸はシロアリの巣の中におさめられている。
シロアリに食べさせたのち、巣ごと焼き払うことで、天に送る。
だが、子供を殺めたのは母である女自身だった。
その部族は自らをヤノマミと呼ぶ。人間という意味だ。
ブラジルとベネズエラにまたがる深い森の中に、ヤノマミの家がある。
私達は10年近く交渉を続け、150日間という長期の同居が許された。
だが、彼らは私たちをナプと呼び、自分たちを明確に区別した。
ナプとはヤノマミ以外の人間、あるいは人間以下のもの。
彼らは、自分たちこそ、ヤノマミ、人間だといったのだ。(ココまでは引用文)」

NHKのヤノマミ族のドキュメンタリーをDVDに焼いてもらって見た。
ヤノマミ族とはアマゾンに住む南米の先住民族で、ほぼ裸に近い衣服で狩猟などで原始のママ生活する民族だ。
NHKはヤノマミを10年間説得して150日間ともに暮らしこのドキュメンタリーを撮った。
その内容がすごい。
とくに子供を産むときなのだが、
女性は10代前半くらいでも子供を生む場合がある。
前述にあるように母親は森の中で生み、生んだ後に人間として育てるか、精霊に戻すかを決める。
決定をだれも指図することはできない。
精霊に戻すと決断した場合はあかんぼうを葉にくるんで、シロアリに食わせる。
そしてシロアリを巣ごと焼く。
何日も猟にでて、猿やイノシシ、鳥あらゆるものを食べる。
子供たちは動物の死体が好きで、捕まえた動物死骸やその腹の中の胎児なども平気で触って、遊んだりする。
家の中には猿を干した食べ物が、ぶら下がっていたりする。
社会構造は男尊女卑が激しく、けんかも耐えない。
部族同士の戦いも多いらしい。
シャーマンがいて、病気を直したり、占ったり、説教をするようだ。
シャーマンは力を得るために麻薬でトランス状態になる。
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ヤノマミとは人間そのものという意味
人間は死んで精霊になり、精霊は死んで、虫になる。
男はアリになり、女はノミやダニになる。と信じている。
そのアリとともに子供は焼かれる訳だ。
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このドキュメンタリーは
その内容の衝撃から今かなり話題になっているらしい。
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僕がこれを観て思ったのは、
今、世の中は昔より悪くなっていると言われ、
思いやりや道徳心と言ったことが叫ばれている。
そして昔はもっと人が温かかったと言われる。
たしかに20年前と比べたらそうかもと思う。
しかし、もっともっと人間をさかのぼるとどうだろう?
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もっとさかのぼった存在に近い
ヤノマミを見ると、
今タブーとされることをすべてやっているような気がする。
暴力、差別、男尊女卑、殺人、麻薬、DV、戦争
そして、彼らの生活を観ているうちに、
これらは本当に悪いことなのだろうかと改めて考えさせられる。
人間の本質はもともと、もっと今の社会では醜いとされるところにあって、
自然に生きる、自然とともに生きる、ということが最も道徳的であるというならば、
現代のタブーそのものへの疑問符がついてしまうのではないかと考えさせられた。
では 暴力も差別も殺人も麻薬もDVも戦争も良いのか?
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答えは それでも 否である。
自然界の中の一動物として考えるのであれば、本能のママに生きるのは道徳的だろう。
しかし、ここにこそ
人間とは何か?という答え、こと人間の特異性があると思った。
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僕らはとりあえずなにかとっぴおしも無いことが無ければ、明日は死なない。
それは長い年月をかけて死なないシステムをつくったからだ。
その日の死におびえないことで、僕らは今日の生や自分の生以外のことを考える余裕が出来た。
そしてそれが、人間がとくに持っている道徳心や哲学だと思う。
それは自分だけでなく自分と同じ人間についても思いやることを前提としていて、
それゆえに殺人もDVも暴力も麻薬もしないのだ。
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ヤノマミという存在は現代社会に大きな問題提起と衝撃を与える存在だと思った。
今人間には、さらに大きなくくりに目を向けて、
人間だけでなく地球や他の動物へ目を向ける時代が来ている。
それは地球のためでも動物の為でもない。
地球や動物のことを考えるならばヤノマミのように暮らせばいいのだから。
だから、人間のために未来の為に
エコでも道徳的な行動でもするしかないのだと思う。
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それが人間なのだと思う。
とっても興味深いテレビだった。