Yves Saint Laurent

映画「イヴ・サンローラン」(2010年公開)を観た。

イヴ・サンローランの生涯のパートナー、ピエール・ベルジェが語る二人の深い愛とイヴの孤独を振り返る物語。2008年にイヴが亡くなった後に撮った作品。

Diorのデザイナーとして彗星のごとく現れた一人の青年が、瞬く間にスターデザイナーになり、YSLを立ち上げて成功し、衰退していくまでの時の流れを、イヴのすぐそばで共に歩んできたパートナーが語る内容となっている。

この映画ではその人生の歩みももちろん興味深いが、ファッションの部分だけでなく二人が所有した膨大なアートや美しい家にもスポットが当たっている。

最愛のパートナーとして互いに依存するようにいた二人が、信じられないような価値のあるアートが所狭しと並び、外界と遮断された高貴で神秘的で咽ぶような豪邸でどのような暮らしをしていたのかを想像しながら観ることができる。

特にアートについては圧巻で、2009年にクリスティーズ・パリで行われた「イヴ・サンローランとピエール・ベルジェ」コレクションでは、それまでの個人によるオークションの落札総額の最高額を更新。トータル落札価格4億4300万ドル(約448億円)は当時ニュース等で大きく取り扱われた。

映像の中でも、ピカソ、マティス、ロートレック、ピエト・モンドリアン、マルセル・デュシャン、ウォーホール、フェルナン・レジェなどなど錚々たるアーティストのアートが並ぶ。

印象的だったのは、オークションの準備に向けて、その邸宅の中から次々と美術品が運び出されていく時のピエール・ベルジェの哀愁。二人の歩んできた時間と濃度がよく伝わる。最愛のパートナーが付き添っていたが、イヴは最後まで孤独を抱えて生きた。才能があるが故の孤独、そしてそれが故に荒れていく生活。孤高と孤独の間に生きた一人の天才とそれを理解しそばに付き添い続けたパートーナーの哀愁が膨大な美術品と世界中にあるすばらしい屋敷を通して感じる作品だった。

ピエール・ベルジェは2017年9月に、闘病の末死去。

モロッコのマラケシュとパリにあるサンローラン美術館がもう少しでできるというところだった。最後までパートナーを想った人生だった。

個人的にはとても興味深い作品だった。イヴ・サンローラン関連の映画は他にも公開されているので観てみたいと思った。

★★★

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